デイブ・ペルツ博士のスコアリングゲームスクール – 1

2018年8月19日 |

8月2〜4日、デイブ・ペルツのスコアリングゲームスクールを受講しました。
3回に分けて、その模様をご報告します。

デイブ・ペルツ博士をご存知ですか?アメリカ人、ショートゲーム専門のゴルフコーチです。幼い頃にゴルフを始め、ゴルフの奨学金でインディアナ州立大に進み、物理学を専攻。同世代のジャック・ニクラスが隣のオハイオ州で活躍していて、戦績はペルツの22戦22敗。当時、ニクラスは大学を卒業したら両親のドラッグストアを継ぐのでプロには転向しない、という噂が流れていて、ペルツはあんなに上手な選手がプロにならないなら自分も無理だと考え、大学院に進み、NASAに就職しました。ツアープロになれなかったことを残念に思い続けたペルツは、14年後にNASAを退職、自分の発明したTeacher Putterというパターを製造・販売する会社を設立しました。その後も実験と研究を繰り返して独自のショートゲームの理論を確立させました。主に80−90年代にツアーで活躍した選手たち、トム・カイトやビジェイ・シン、ペイン・スチュワートなどを教えましたが、76歳の今も現役で、パトリック・リードやフィル・ミケルソンが習いに来ています。

遠くに飛ばすショットをロングゲーム(長打)、フルショットせず距離をコントロールするショットをショートゲーム(短打)と呼びますが、ペルツはこのショートゲームとパッティングを合わせて、「スコアリングゲーム」と呼んでいます。短い距離を1打で寄せて、1パットでカップインする。スコアに直結するこのスコリングゲームこそがゴルフの重要なテクニックである、というのはゴルファーみんなが痛感していることですよね。

彼の代表的な著書にShort Game BibleとPutting Bibleがあります。その中でロングゲームとショートゲームはまったく別のものだと考えるのが上達のカギだ、と言っています。力一杯遠くへ飛ばすのと、距離をコントロールして打つ、確かにショットの性格は違います。ツアープロは桁違いに上手ですが、それでも皆どちらかが得意でどちらかが苦手なのだそうで、スコアリングゲームの正確性が、獲得賞金ランキングに直結すると言います。

ペルツはツアープロだけを教えていましたが、35年前から一般ゴルファー向けにスコアリングゲームスクールを開設しました。現在フロリダ、テキサスなど全米に12ヶ所、イギリス、スペインなどヨーロッパにも拠点が4つあります。1日、2日、3日間のクラスがあり、冬はフロリダやアリゾナ、夏はシカゴ、ニューヨーク、というふうに、気候のいいところで開催されます。

スクールではペルツ自身ではなくお弟子さんが教えます。3日間のクラスを受ければ、ペルツのプライベートレッスンを受けることができるそうで、フィル・ミケルソンが習いに来る前も、本当に3日間のスクールに参加したそうです。セルジオ・ガルシアがレッスンの依頼をした時は、「まず3日間のクラスを受けてください」と言われて「私が誰だか分かりますか?セルジオ・ガルシアなんですけど…」とアピールしたけれど、ペルツは引かなかったそうです。

私もいつかはペルツのプライベートレッスン…というプランはありませんが、せっかく行くならフルコースだ!と思い、思い切って3日間のスクールに参加しました。開催コースは、コロラド州ヴェイルにあるコーディレラ(The Club at Cordillera)を選びました。ヴェイルはロッキー山脈の山間にある高級リゾート地で、標高は2,445m、冬はスキー、短い夏はゴルフやハイキングの観光客で賑わいます。

20%前後と湿度が低く、日中は25℃ぐらいまで上がりますが、朝晩は8−10℃ぐらいまで下がります。山間なのでゴルフコースはアップダウンが多く、上り坂を急いで歩いたりすると、すぐに息が切れます。汗はかかないのに水分消耗が早く、喉が渇きます。気候も地形も景色もミシガンとは大違いで、とても新鮮でした。

会場コースのコーディレラはプライベートで、3つコースがあります。前日にコロラド入りして、ニクラス設計のThe Summit Courseでラウンドさせてもらいました。1番ホールから超打ち上げの右ドッグレッグ。ゴルフウォッチを見ながら狙っているのに、ティショットは抜けてラフや谷底に落ちるし、アプローチショットもやたらとグリーン奥に突っ込みました。忘れていました。高地なのでボールがよく飛ぶのです。飛距離は15%アップ。おかげでボールを4つなくしましたが、壮大な景色を眺めながら、何やらアドベンチャラスな楽しいラウンドでした。

Day1。朝7:30、駐車場に着いたら青年がカートに乗ってやって来て、前日ラウンド後に保管しておいてもらった私のバッグがすでに積んであります。グッジョブ、バイト君。


そのままカートで練習場へ向かいました。広大な練習場の一角にスクール専用の小屋があり、一面カベを開け放った向こうに専用の打席が並びます。その向こうにはロッキーの山々が。こんな贅沢な練習施設が使いたい放題だなんて!レッスンが始まる前から気分はウキウキ最高潮!

クラスは生徒4人に対しコーチが1人の割合のグループレッスンです。今回は参加者が8人いたので、コーチが2人とお手伝いのバイト君2人がつきました。写真はシニアインストラクターのマークです。自己紹介ののち、スクールに臨む心得について話がありました。グループレッスンの雰囲気は大事にしよう、心をオープンにしてコーチの言うことを聞こう、とのこと。コーチが言うことすることすべてに質問や反対意見を言う生徒さんが時々いるそうです。するとスクールの進行は妨げられるし、他の人の意欲にも影響が出てしまいます。幸い、私たちのグループに和を乱すような人はいませんでした^^。

1つ心得の中で面白いと思ったのは、”Feel is not real” というフレーズでした。詳しく聞くと、「感覚と結果は常にリンクするとは限らない」という意味合いでした。スコアリングゲームは体やクラブの動きが小さいし、結果に求める期待度がとても大きいので、例えば正しいセットアップを教わったとしても、それでは打てる気がせず、自分のやりやすいように戻してしまったり、体を操作して動かしたりしがちです。修正した後しばらくは、居心地がすごく悪く感じられるかもしれない。けれど我慢して繰り返すうちに、なんか変な感じがするけど打つとうまく行く、これで正しい打ち方なのだということを脳に覚えこませることができたら、感覚と結果がリンクするようになるのだと。信じてしばらく精進しなさい、ということかと、私も覚悟を決めました!

レッスンの内容は、ピッチショット、チップショット、バンカーショット、パッティングの4つでした。それから3日間、朝8:00から夕方5:00(最終日は3:30)までみっちり座学と実践レッスンが行われました。

初日のレッスンは、ピッチショットから始まりました。さあどんなレッスンだったのでしょう?! 次回詳しくレッスンの様子をお伝えします。お楽しみに☆

今回のスコアリングゲームの内容を実際のレッスンの中でお伝えします。

・2018年10月13日(土)〜アカデミア at 東千葉カントリークラブ(千葉) 野村 祥子「デイブ・ペルツ博士のスコアリングゲーム」

この記事を書いたのは

野村 祥子

野村 祥子

秋のゴルフシーズン到来、ジャパンはだいぶ涼しくなったようですが、皆さまいかがお過ごしですか?
長かった夏の修行を終え、10月末にアメリカより帰国します。
11月は東京バーディGCにてレッスンを開催いたします。
皆さまのご参加をお待ちしております。

9(土)ヒント「ペルツのスコアリングゲームのその後」
https://www.gen-ten.jp/event/22091

10(日)ハーフラウンド
https://www.gen-ten.jp/event/22092

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