タイQT挑戦記 ― 3rdラウンド編 :選手たちとの円

2025年10月17日 |

All Thailand Golf Tourのクオリファイトーナメントには、各国の選手がエントリーしていました。私はタイの選手以外にも南アフリカや韓国、バングラデシュの選手との交流がありました。「今日はどうだった?」「そっか!明日は頑張って!」「お互いベストを尽くそう」連日そんな会話をしていました。

朝のPhysiotherapy

私は連日の長時間の練習で苦戦していため、足や腰の疲労が溜まっていた。しかし大会のPhysiotherapyエリアで、痛みや張りをチェックし、施術をしてもらい万全の状態でスタートに臨むことができていた。

スタート前のチッピングエリア

スタート30分前にチッピングエリアで練習していた私に、タイのSurasik選手が私のアプローチショットについて尋ねてきた。英語が理解できなかった私は、「ホールアウト後にまた話聞くね!」と言い残しティーへ向かった。確かに日本の選手の打ち方は、タイであまり見ないアプローチショットの打ち方をしてるので、不思議に思うのは無理もないだろう。

3rdラウンド開始

今日のペアリングは、タイの19歳 Narurit選手。ザンダーシャウフェレにそっくりなスイングで。ドライバーで300ヤードを軽々打ってくる若き優秀な選手だった。No.10からスタートし、お互いに無難にパーで発進した

彼は先週の試合を4アンダーでプレーしてたのに今週は散々だと愚痴を漏らしていた。グリーン周りの芝が複雑なため、スピンが入ったり入らなかったりする。またラフのショットが難しいと話していた。私は聞き役になり、「僕もそう思う。今回の会場は難しいコースだね。でも君は良いプレーヤーだ。ドライバーも飛ぶし、アプローチも上手だと」と彼の不満を受け止め、励ましながらプレーした。

初日に池に入れダブルボギーを打った最難関のNo.11のPar3では、178ヤードをピン横につけバーディを奪取。キャディのDeerをハイタッチを交わす。勇気のいるホールで最高のショットを放つことができた。

ウォーターショットを決める

この日もミニドライバーにスイッチし、ティーショットを打っていったが左への曲がりを抑えきれず。No.14 Par4では、ティーショットを左のバンカーに入れピンチに

早朝の大雨によってバンカー内の大部分がカジュアルウォーターになっていた。救済を受けてもバンカー内ドロップのため、ボールがやや埋まることが確定されていた。予想通り、ボールは少し埋まってしまい、目の前のバンカーの顎と木の枝も障害となり厳しい状況に。

出すだけなら簡単であるが、グリーンを狙い上手く打てれてばチャンスにもなる状況。私は、115ヤードをPWで綺麗に打つことができた。

難しい状況からピンに向かってボールが飛んでいくが、いつまで経ってもボールは落ちてこない。グリーンを直接オーバーし、奥の池の付近に。おそらく、ドロップにより少し埋まってしまったことに加え、水分を多く含んだライによってボールの回転がかからずに飛んでいってしまったのだろう。

池の中にボールはあったが、幸いにもギリギリ打てる状況だったのでウォーターショットを選択。35ヤードを3mくらいに寄せて、パーパットこそ入らなかったものの、またもギリギリのところで乗り越えた。さすがにこのプレーには、同組のNarurit選手もキャディも笑っていた。

ピンチは続く苦しいラウンド

No.15もすんなりはいかせてくれない。ミニドライバーで放ったティーショットは、左のフェアウェイバンカーへ。

セカンドショットは160ヤードでグリーンの横まで運ぶことができたが、傾斜の強いロングパットに。3mオーバーしてしまいボギーにしてしまう。チャンスホールの18番でもバーディーが取れず、このハーフを3オーバーで終える。

ハーフターン後のNo.1を2オン2パットのパーで終えて、No.2のPar4に


No.14右のバンカーまで届かないミニドライバーを選択し、フェアウェイに置くことに成功した。セカンドショットを135ヤードを9Iで打ちピンハイに乗せた。バーディこそならなかったものの、苦戦していたセカンドショットが徐々に狙った方向に飛んでいくことを実感した。

No.4のPar5ではティーショットを池に入れてしまいボギーに、迎えたNo.5でもセカンドショットをグリーン奥のバンカーに入れてしまいピンチに

15ヤードくらいのバンカーであったが、ちょっと強く打ってしまい4mほどのパーパットが残ってしまった。複雑なラインで読めなかったので、キャディのDeerに何回か確認した。彼女のアドバイスを信じて打ったパットはカップイン。彼女のアドバイスは常に的確であった。

Deerからのお礼とバンカーショット

No.6では3mのバーディパットを決められず、パーとしてNo.7 Par3へ。200ヤードを6Iでのティーショットをピン方向に打てたのだが、ちょっと届かずにバンカーへ。そこで雷の接近により一時中断に入った。


キャディは近くの売店に、選手はクラブハウスに戻る。私は初日に余っていた朝食のクーポンをキャディのDeerに渡していた。中断中に彼女からLINEが届く。あなたのくれたクーポンが役に立ってますと律儀に連絡をくれる。朝食のクーポンで途中で食べるお昼ご飯をテイクアウトしてたのでした。

30分後、競技が再開した。20ヤードのバンカーショットからのスタート。私は、日本のプロテストでの出来事を思い出していた。その時も同じくバンカーショットを残して雷の中断に入った。その状況と全く同じであったのでピンに寄せられるイメージがついていた。イメージ通りに打てたショットは、1mにつけてパーをセーブすることができた。

最終ホールもドライバーを右ラフに入れてピンチであった。7mの下りの複雑なスネークラインをDeerのアドバイス通りに打ち、ここもミラクルなパーセーブしてこの日も6オーバーで終えた。

QT選手たちとの交流

連日会場で一緒に過ごしているので、同組でなかった選手との交流も多い。韓国のプロ選手である24歳のTaehoon(テヨン)とは、練習の合間にカフェでお互いの話をした。僕が彼に「君にコーヒーを奢るからこっち来て!」と言ったのに彼は僕にコーヒーを奢ってくれた。彼は日本が好きなようで、僕は韓国のプロゴルファーが好きであることを伝えると話が盛り上がった。

スタート前にアプローチの技術を聞きにきたSurasik選手には、僕はこういうメカニズムのアプローチを打っていると伝えると彼は納得した様子で聞いてくれていた。

バングラディシュのシャムスル選手は、挨拶を交わしただけなのにとても気さくに声をかけてくれた。

練習ラウンドを共にしたゴフ選手は、「K!How are you?」と毎日声をかけてくれた。

ツアーに出たいとか、トーナメントで優勝したいという目標もほとんどの選手が持っているはず。一方でそれだけではなく、各国の選手が私のように色んな想いを持ってこの試合に来ていることを感じた1日だった。次回は、私がなぜこのトーナメントを選んだのかついて綴りたいと思います。

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この記事を書いたのは

寺嶋 慶介

寺嶋 慶介

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2025年8月29日(金)ワンウェイゴルフクラブ

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ディスカバリーキャンプ at 初穂カントリークラブ(群馬) 寺嶋 慶介

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2021年7月発売週刊ダイヤモンドの取材を受けました
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