プロショップについて語りたい!

2017年7月23日 |

プロショップ

ゴルフ場に来たら最初にチェックインするところを、アメリカではプロショップと呼びます。日本のクラブハウスのように、入ってすぐのホテルのフロントのような作りではなくて、1つの独立した小部屋になっています。ウェアやシューズ、クラブなどの商品が並んでいるショップの片隅に、小ぢんまりとしたカウンターがあります。お客さんが入って来たらまず商品が目に入るよう、カウンターはわざと奥の方に作ります。そこで予約したティタイムと名前を言ってチェックインし、プレイフィーを払ったりグッズを買ったりします。

パブリックコースでは、お金を払ってスコアカードとレシートをもらって受付完了です。ロッカーはないのでロッカーキーは渡されません。住所や名前を書いたりもしません。プライベートのメンバーは通年で同じロッカーを借り切るので、鍵は自分で管理します。
昔、ショップの経営はコースとは切り離されていて、商品の売上げは全部プロの懐に入っていたので、Pro’s shopから転じてPro Shopと呼ばれるようになりました。ただ、プロフェッショナルの省略形であるプロという言葉をPGAは使うべきではないと言っているし、現代では収益はプロ個人ではなくクラブに入るところがほとんどなので、プロショップとは呼ばずにゴルフショップと呼ぶコースが増えています。

支払い方法はいろいろ

パブリックでは現金やクレジットカードで支払いをしますが、プライベートはそれができないところもあります。支払いは全てメンバーのアカウントにつき、月ごとに請求書が送られて来ます。ゲストを呼んでラウンドした時は、すべてをメンバーが立て替えてあとで個人精算します。メンバーはプレイフィーがかからないので、カート代かキャディフィーを払うだけですが、ゲストはゲストフィー(ミシガンですと70−300ドル位)を払います。接待などは別ですが、プライベートなラウンドではゲストにはゲストフィーを負担してもらい、でもせっかく来てくれたのでゲストの食事やドリンクなどはメンバーが払ってバランスを取ることが多いです。

商品チョイスはプロ次第

ローカルの小規模なコースですと、パブリックでもプライベートでも、ショップにどんな商品を置くかはプロに任されていて、売上げはプロの評価に影響します。池や湖の多いコースではボールの品揃えを充実させていたり、例年より寒い年にはニット帽や手袋などを早めに多めに入荷したりします。

プロ同士で話していると、女性用と男性用、アパレルはどちらを充実させるべきかがいつも争点になります。ゴルファーの数は圧倒的に男性のほうが多いですが、ショップでアパレルを手にするのは女性が多いです。男性は女性のアパレルに注意を払いませんが、女性は男性のアパレルも見ます。私の経験では、品数は少なくてもいいので質の高い女性ウェアを目立つようにディスプレイすると女性の目を引き、一緒にいる男性も付き合って2人分買い物をする、というパターンが多いように思います。

私の働いていたコースでは、ウェアやキャップなどのソフトグッズは買い取りで、クラブはメーカーがデモクラブを貸し出し、お客さんが欲しい物をそのつどオーダーしていました。プロには大抵なじみのメーカーのセールスレップ(営業担当)がいて、1−2社に絞ってウェアやシューズ、クラブを扱います。前に所属したプライベートでは、ヘッドプロの奥さんがナイキのレップをやっていたので、アパレルはほとんどナイキ一色でしたし、一番目立つところにナイキのクラブを置いていました。そんなことありか?とも思いましたが、ありなようです(笑)。

コースの規模や売上げによって扱うメーカーの数は多くなります。プロはメーカーとスタッフ契約を結び、販促を手伝う代わりに無料でウェアやクラブの提供を受けます。クラブの扱いはちょっと変わっています。大抵のクラブメーカーはシーズン始めに指定したスペックの新しいセットを送ってくれて、シーズンが終わるとそれを返却しなければなりません。そして翌年また新しいものを送ってもらうという、貸し出しのようなしくみを取っています。

買い付け専門のバイヤーがいるコースも…

有名なリゾートコースには専門のバイヤーがいて、彼らが商品の買い付けを行います。2年前にレポートしたように、毎年1月にフロリダで行われるPGA Merchandise Showには多くのゴルフ関連会社がブースを出すので、バイヤーはフロリダに出向いて実際のサンプルを手に取りながら商談をします。

有名コースはとても強気で、高級ブランドのバッグやウェアや帽子などを定価で売ります。子供服やラグやクリスタルの飾り物など、ゴルフに関係ないものもロゴ入りで売られます。サンフランシスコ郊外のペブルビーチにはプロショップ内に加えて、パッティンググリーンの横に12も小さなショップが並んでいて、とてもステキなモールのようになっています。観光バスが停まれる駐車場があり、ゴルフはせずにお土産を買い、太平洋を眼下に見下ろすレストランでランチを食べる観光名所です。

ミルリバープラン

1960年代からプライベートコースで広まった、ミルリバープランというしくみがあります。メンバーは毎年まとまったお金をあらかじめ払い、仕入れ値+2割ほどの割安な値段でショップ内のグッズを購入することができるというものです。1964年にニューヨークのMill River Golf Clubが始めたので、この名がついたそうです。メンバー制の安売り量販店と同じ考え方で、クラブは集めた会費で買い付けのお金を確保することができるし、メンバーは最新のグッズを安価で入手できるというメリットがあります。現在、全米のプライベートでこのプランを採用しているのは14%、生みの親であるミルリバーGCの会費は$150。年間で$500−$600ぐらい使うと元が取れるそうです。

ロケーション

ショップ内の一番奥にカウンターを作るのにはもう1つ理由があって、それはショップからガラス越しにコースの様子を把握できるからです。たいていショップのメインの入り口は駐車場(外)側にあり、そのまま商品の合間を縫って奥に進むと、大きなガラス窓を背にしてカウンターがあります。ショップ内のガラス越しに1番と10番ティーインググランドが見えるのが理想的なレイアウトです。別棟でスターターズシャック(小屋)があるコースもあります。誰がチェックインしたか、時間どおりにプレイヤーがティオフしているか、9番を終えた組がすみやかに10番に進んでいるか、など常にコースの状況を見て、ショップのスタッフとスターターとマーシャルは必要な情報をトランシーバーでやり取りします。日本のキャディマスター室のような役割ですね。

クラブのアシスタントプロをやっていると、朝早くから夜日没まで、レッスンや見回りの時以外はプロショップに缶詰になっていることが多く、プロショップにはあまりいい思い出はありません。ヘッドプロは自分の個室があるからいいですが、アシスタントプロは立ちっぱなしで、時計を睨みながらお願い早くシフトよ終わってくれーと思いながら過ごすことが多かったように思います。やっぱりゴルフはコースでプレイするのが一番。カウンターの反対側にいるほうがよっぽどシアワセです。

この記事を書いたのは

野村 祥子

野村 祥子

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