弓と禅とゴルフ 1

2025年1月22日 |

私はゴルフの面白さ(深さ)というのは、ゴルフを通じた人の理解にあると思っています。人の理解というのは、自己でもあり他者についての両方です。

10歳で初めてコースでプレーした私にとっては、当時”おじさんのスポーツ”であったゴルフに魅力が感じなく、何が面白いんだろうと疑問に思っていました。贅沢ではあるのですが、10代の私にとっては野球のようにダイナミックでアクティブな動きをするスポーツでないと物足りなかったのです。

ゴルフが面白いと感じるには精神的な成長が必要に思います。社会人なりたての若い人が上司にお膳立てされながらもゴルフの誘いが”めんどくさい””ありがた迷惑”と感じていたのが、年齢が経つにつれゴルフの魅力を理解される話は珍しくありません。40代や50代のレッスンに来られる方の多くが「あの時は上司に誘われるのが面倒くさかったけど、素直にやっていたら..」と嘆いています。(そうした方には慰めにならないかもしれませんが、中世よりゴルフにのめり込み過ぎると色々なモノを失うと言われていることをお伝えしてます)

このように精神的にある程度の成長していないとその魅力を理解できないように思えるゴルフですが、私が”退屈”から”関心”に変わったのは20代の前半です。退屈ながらも”修行にように取り組んでいたゴルフ”から離れないといけない時期に差し掛かって初めてゴルフが面白いと感じるようになったのです。

私にとってゴルフというのは、「練習しないと上手く打てなく、練習しても上達しない」というイメージだったのです。ある意味それは才能というのか、生まれ持った能力の高い人しか上手くなっていかなく、私も含めて多くの人には、”ここまでしか上達しない”という壁みたいなものがあると感じていた訳です。

そんなある日アルバイト先のゴルフ場で仕事を終えて、いつものように誰もいないコースでプレーをしてるとふと閃いたことがあったのです。「もし何も考えずテキトーに打ったらどうなるのか?」「パターを入れようと思わず外そうと思って打ったらどうなるのか?」

多くのゴルファーと同じように当時の私も「アドレスはこうして、バックスイングはここにあげてフィニッシュは…」などチェックポイントが多く、それをやらないと打てる気がしないというのか、それを意識することが当たり前と思っていました。正しいスイングとは、そうした注意したことを澱みなく遂行することから成り立つと考えていたのです。その私にとってはテキトーに打つなどもっての外で、パターでカップインを狙わない発想はそれまで考え付かないものでした。

大学でスポーツの研究活動をしていた当時、「昔から弓の達人は自身が狙う的と一体となる感覚があるようだ」と聞いたことがありました。その話が頭の片隅にあったのか、ボールに対峙した時に何かの意図を持たない(テキトーにする)ことが私にとって必要なのではないかというようなインスピレーションを感じたのでした。

良いスコアや出来映えなど気にすることのない、アルバイトあとの1人のラウンドで試しにその境地でやってみたのです。するとテキトーにしたスイングで放たれたボールはまるで予想とは反してピンや打つべき目標に向かうのです。またパットを打つ際にカップに入れない意識も持つとボールがカップに対してピッタリと打つことが出来て、さらにそれが吸い込まれいくのです。私はこの瞬間、ゴルフが”退屈”から”関心”に変わったのでした。

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この記事を書いたのは

寺嶋 慶介

寺嶋 慶介

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