フィッティングで失敗しないために ── コーチの視点から

2025年9月24日 |

クラブフィッティングは「自分に合った一本を見つける」ために大切なプロセスです。しかし実際の現場で多くのゴルファーを見ていると、フィッティングを受けても オーバースペック なクラブを選んでしまっている方が少なくありません。その結果、スイングが崩れて練習の成果が反映されにくくなり、ゴルフ自体が難しく感じられてしまいます。今回は失敗の多いクラブフィッティングの現実についてコーチの視点から書いてみました。


(定期的に源河コーチとクラブとフィッティングを学びにフォーティーンを訪れています)

取り組み方で「最適な一本」は変わる

まず理解しておきたいのは、その方のゴルフの取り組み方で、選ぶべきクラブの方向性は変わるということです。

  • 競技志向: パフォーマンスを最大限に発揮するためにオーバースペックぎりぎりのクラブで合わせます。一方で、練習量が減ったり体が衰えると使えないクラブに。クラブ選びとしては、非常に難しくリスキー。
  • エンジョイ志向: 確実にアンダースペック寄りにして、再現性と楽しさを優先する。緊張下ではなく、リラックス時にパフォーマンスを発揮できるクラブ選び。失敗がないのでリスクが少ない。

この方向性を誤ると、どんなに良いスイングでもクラブが正しい動きやパフォーマンスを邪魔してしまいます。

なぜ「オーバースペック」が多くなるのか

  1. コースでの実態を見られない: 室内やレンジでの試打では、ラウンド時のリズム・疲労・ライの影響まで把握しにくい。またコースでは、9割以上の力感で振るようなフルショットする機会は少ない。
  2. ナイスショット基準: 良い一打の数値で判断すると、平均再現性からズレる。
  3. 時間制約: 限られた試打時間では、癖やミス傾向まで検証するには不十分である。
  4. 「飛ぶ」への期待と購買動機: 今のクラブと差が出ないと買い替えのきっかけになりにくく、結果として 飛距離重視=オーバースペック を勧めやすい構造がある。

こうした要因が重なると、扱いきれないスペックを手にしてしまい、「スイングが崩れてゴルフにならない」 状況が生まれます。

フィッティングは一度で完成しない

ここで大切にしていただきたいのは、どんな方法でも1回のフィッティングで100%完璧なクラブが提供されることはないということです。これはメーカーでも工房でも同じです。最初は70〜80%合っているという実感が得られれば、かなり精度の高いフィッティングと言ってもよいでしょう。

クラブ選びは長い時間をかけて、少しずつ自分に合った形に育てていくものです。その過程でスイングや体力、ゴルフへの向き合い方も変わっていきます。

だからこそ、一緒に伴走しながらその変化を見守り、クラブ選びを支えていく存在がコーチだと私は考えています。70〜80%から100%に近づけられるようにコーチの助言やアドバイスは必須だと思います。

コースで伴走するコーチが補えること

私たちコーチは、1日コースでご一緒しながら、練習場とコースの両方であなたのショットを見ています。ティーショット・セカンド・グリーン周り、疲労時のミス傾向、プレッシャー下の振る舞い──これらを総合して、「実戦で再現できる」スペック の方向性を助言できます。

アンダースペックよりで選ぶなら、より細かい詳細なデータは必要あると思えません。「あなたのゴルフ観×実戦の平均値×振りやすさ」 にクラブを合わせることが、長く快適にプレーする近道です。

まとめ

フィッティングは数値だけで完結しません。取り組み方(競技かエンジョイか)と、コースでの実際のショット傾向を踏まえてこそ、最適なクラブ選びが実現できます。これからクラブを検討される方は、フィッターのデータに加えて、コースでのあなたを知るコーチの視点 もぜひ取り入れてみてください。

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GEN-TENは フォーティーン(Fourteen)と提携 しており、同社製品を含むフィッティングのご案内が可能です。提携の事実は開示しつつ、最終的な提案はあくまでプレーヤー本位・ブランド横断で公平に 行います。購入前のご相談は、レッスン前後またはオンラインで承ります。

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この記事を書いたのは

寺嶋 慶介

寺嶋 慶介

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ディスカバリーキャンプ at 初穂カントリークラブ(群馬) 寺嶋 慶介

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