女性ゴルファーは本当に飛ばないの?

2013年10月22日 |

Director's Note
ゴルフ場には女性ゴルファーの姿が増えてきました(^^)華やかなウェアに見を包んだ女性ゴルファーが多くなると自然と雰囲気も明るくなっていいですね。
私達のレッスンにも年々女性ゴルファーは増えていて、レッスンに来る理由で最も多いのは「飛距離」に対する悩みです。

これは私の個人的な考えですが、女性ゴルファーが飛距離に悩む理由はコースの距離が長過ぎる事にあると思っています。ほとんどの女性ゴルファーは第2打をウッドやユーティリティーで打っていますが、果たしてこれは女性ゴルファーにとって適切な距離なのでしょうか?

ゴルフ場に行くとバックティー、レギュラーティー、レディースティーとあり、暗黙のルールとしてプロや上級者はバックティー、一般アマチュアはレギュラーティー、女性はレディースティーでプレーをしています。

日本国内にあるゴルフ場の平均全長(18ホールの総距離)は6703ヤードと言われています。これを単純に計算するとPAR4の平均飛距離は約372ヤードという事になります。皆さんがプレーするレギュラーティーはそこから10%程度前になると仮定するとレギュラーティーは約6030ヤードで1ホール平均では335ヤードという計算です。レギュラーティーから更に15%引いて計算するとレディースティーは約5125ヤード前後となり1ホールで約285ヤード程度が平均となります。

ところが女性の平均ドライバー飛距離は165y(Hs33/mの場合で)と言われています。それをもとに番手別に距離を算出していくと、
1w=165ヤード
3w=150ヤード
5w=135ヤード
7w=130ヤード
4u=120ヤード
6I=110ヤード
7I=100ヤード
8I=90ヤード
9I=80ヤード
そうです。女性の場合は仮に285ヤードのPAR4をプレーした場合、ドライバーがナイスショットしても残りを4Uで打たなくてはなりません。飛距離には個人差がありますので、あくまで「平均的に」という事ですが、これが多くの女性が第2打をウッドやUTで打たなくてはならない理由の一つです。

対してアマチュア男性の平均ドライバー飛距離を220y(Hs41/mの場合で)として同じ計算をすると、
1w=220ヤード
3w=205ヤード
5w=185ヤード
7w=170ヤード
4I=160ヤード
5I=150ヤード
6I=140ヤード
7I=130ヤード
8I=120ヤード
9I=110ヤード
という感じで、男性は日本の1ホール平均的距離の335ヤードを1Wでナイスショットすると第2打は9Iか8Iで打てる計算になります。

仮に第2打を同じ番手で打てる事を条件にすると男性の335ヤードと女性の250ヤードは同じ難易度となり、レデイースティーは更に35ヤード前でいい事になります。逆に女性が感じている難易度を男性の距離に置き換えると女性の284ヤードは男性では約380ヤードと同じ難易度という事になります。これはかなり難易度が高い距離です。

ちなみにアメリカ男子ツアーのトップ50のドライバーの平均飛距離は295ヤードで、世界のトップ選手の番手別飛距離は
1w=295ヤード
3w=270ヤード
5w=250ヤード
UT=235ヤード
3I=225ヤード
4I=215ヤード
5I=205ヤード
6I=190ヤード
7I=175ヤード
8I=160ヤード
9I=145ヤード
となり、昨年のメジャー大会の平均ヤーデージは約7342ヤードから算出すると1ホール平均で407ヤード。もちろんプロの場合には距離だけが難易度を決めるわけではありませんが、飛距離という要素に対してはトッププロが一番スコアが出易い条件でプレーしている事が分かります。

データからも分かるように女性ゴルファーは男性ゴルファーやプロよりも遥かに高い難易度でプレーをしています。もちろんプレーを楽しむためには適度な難易度は必要ですが、女性ゴルファーが男性ゴルファーと同じような難易度でプレーを楽しもうとするとPAR3で100-120y、PAR4で230-250y、PAR5で350y-420y程度で総距離で4500ヤード程度が理想的という事になります。距離の出る女性や、難しいレイアウトを楽しみたい場合は後ろのティーを選択してプレーも出来るので、こう考えていくとレディースティーはもう少し前にあってもいいかもしれませんね。

女性がゴルフを始め易く楽しくプレーできる環境を作るにはコースの改修なども必要になり、それはすぐに整える事は出来ませんが、男性ゴルファーの皆さんが女性ゴルファーのプレーを温かい目で見守り、優しくサポートする事でゴルファーの円はより大きく広がると思います(^^)

いくらレディースティーが前にあっても「女は距離が短くてズルイ」なんて言わないで下さいね。それでも彼女達は私達が約6900ヤード以上の難コースに挑戦している感覚でゴルフをしているのですから…。

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この記事を書いたのは

大矢 隆司

大矢 隆司

1980年7月15日生まれ
15歳で単身オーストラアへゴルフ留学Hills Golf Academyで3年間ゴルフを学ぶ。
その後大学在学中にティーチングライセンスを取得しゴルフコーチとして仕事を始める。MBA(経営学修士)のキャリアも持つ異色のゴルフコーチ。
2005年にGEN-TENの設立。現在はディレクターとしてレッスンプログラム開発と組織運営を担当。趣味はゴルフ旅行(スコットランドトリップアメリカトリップ

ゴルフコーチ(USGTF)
メンタルフィットネストレーナー(NESTA)
ゴルフコンディショニングスペシャリスト(NESTA)
ゴルフフィットネストレーナー(JGFO)

Director’s note」を通じて私達が提供するゴルフコースレッスンというサービスについて1人でも多くの方に興味を持っていただけたら嬉しいです。
ゴルフ&ウェルネスツーリズム「The Golf Retreat」も主宰。
大矢隆司 公式ブログ(takashioya.com)

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