ゴルフレッスンでよく聞く『頭を動かすな』の本当の意味ー理学療法士の視点から

2026年5月30日 |

こんにちは!はやとです。

今回は、レッスンでよく言われる「なぜスイング中に頭の位置を動かさないほうが良いのか?」について、身体の仕組み(解剖学)の視点からお話しします。

上級者やプロのスイングを見ると、頭の位置がほとんど動かない選手が多いですよね。実はこれ、身体の構造上、ものすごく理にかなった理由があります。

■頭は「ボウリングの玉」と同じ重さ

人間の頭の重量は、全体重の約10%と言われています。
体重60kgの方であれば、なんと約6kg。これはちょうど、ボウリングの玉(13ポンド)くらいの重さです。

“頭”は積み木のように重なる“背骨”の最上部に乗っています。
つまり、人間が立っている状態というのは、「積み木の1番上にボウリングの玉を乗せて、ギリギリのバランスを取っている」ような状態なのです。

このボウリングの玉の位置が少しでも左右にズレると、積み木は簡単に崩れてしまいますよね。

実際の身体では、頭の位置がズレても、背骨の周りにある筋肉がガチッと働いて支えるため、姿勢が大きく崩れることはありません。

しかし、頭がズレるということは、筋肉にものすごい余計な負担(ブレーキ)をかけていることになります。
意識していなくても、身体はバランスを取ろうとして勝手に力んでしまうため、スムーズなスイングが完全に邪魔されてしまうのです。

だからこそ、スイング中に頭の位置がブレないことは、綺麗なバランスを保つ上でとても重要になります。

■「頭を動かさない」と意識すると、なぜミスになるのか?

「じゃあ、頭を絶対に動かさないようにガチガチに固定すればいいんだ!」

そう思った方、ちょっと待ってください。

ゴルフ雑誌やレッスンで『頭を残して振り切りましょう』と言われて、その通りに意識したら、逆に体が回らなくなったり、大きなミスショットが出たりした経験はありませんか?

なぜ、頭を止めようとすると上手くいかないのでしょうか?

スイングの動きをイメージしてみてください。
見た目上、頭の位置は変わりませんが、体は激しく捻じれていますよね。
これを体の視点から見ると、「体に対して、首が大きく捻じれている動き」になります。

ここで重要な事実があります。
見た目では頭は動きませんが、頭そのものが捻じれの「支点」になっているわけではない、ということです。

本当の支点になっているのは、“首の骨”です。
(下を向いたときに、首の後ろにポコッと出っ張る大きな骨の少し上あたりです)

つまり、スイング中に本当にブレさせてはいけないのは「顔(頭)」ではなく、この「首の骨(回転の軸)」になります。

■「頭の固定」は半分正解で、半分間違い

“頭の位置を動かさない”という意識は、半分正解で半分間違いです。

たしかに、頭を動かさない意識は頭の位置の安定に繋がります。しかし、「顔の向きまで絶対に動かすまい!」と意識しすぎると、首や肩の筋肉がガチガチに緊張してしまいます。その結果、軸自体がひっくり返ったり(ギッタンバッコン)、捻じれがスムーズにいかなくなってミスの原因になります。

大切なのは、「首の骨」という軸はキープしたまま、体と頭がリラックスして上手く「分離」して捻じれることです。軸さえ残っていれば、バックスイングで顔の面が少し右を向くのは、身体の構造上、むしろ自然で正しい動きです。

■ただし、こんな方は怪我の危険も…!

この「首の骨を軸にしたキレイな捻じれ」ですが、そもそも身体の姿勢や可動性に問題がある方は、スムーズに回れずに首や腰を痛める原因になります。

◆アドレスで猫背、または反り腰(鳩胸)が強すぎる方

◆過去に首を痛めたことがある方

◆肩まわりや股関節の柔軟性がない方

これらに当てはまる方は、無理に回そうとすると身体を壊してしまうため注意が必要です。

ゴルフの常識である「頭を動かすな」も、あなたの骨格や柔軟性によっては、スイングを壊す原因になっているかもしれません。

■まとめ

ご自身の体のクセを知ることは、ゴルフの上達だけでなく怪我の予防にも繋がります。ゴルフを長く続ける上で、本当に大切なことです。

「 YouTubeの真似をしても上手くいかない」「身体に負担のないスイングを身につけたい」という方は、ぜひレッスンへお越しください。あなたの身体の可能性を、一緒に見つけていきましょう!

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この記事を書いたのは

矢野隼杜

矢野隼杜

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