スイングプレーンとクラブの軌道を理解する

2018年5月17日 |


さて、今回はスイングプレーンの概念を使って、クラブの軌道を制御し、理想の弾道を打つための知識を深めていきたいと思います。
例えば「ドローボールを打ちたい」、「スピンをかけたい」と思う時でも、毎回スイングを変えて対応するのは難しいと思います。ですからほとんどのプレイヤーがスタンスの向きを変えたり、ボールの位置を変えたりしながら弾道をコントロールしています。その時のクラブ軌道をしっかりと把握しておけば、より正確にボールの制御は可能になります。
今回はそんなお話をしてみたいと思います。

■スイングプレーンとは?
スイングプレーンはベン・ホーガンのモダンゴルフの中で「スイング中にゴルフクラブが動く仮想の平面」という表現から、クラブ軌道を理解する際の概念として広く使われています。
もちろん実際には完璧な平面にはならないのですが、スイングのメカニズムや、クラブ軌道のメカニズムを説明する際に使い勝手がよいので、今もコーチングでは多用される概念です。

■スイングプレーンを分解して理解する
さて一言で、スイングプレーンと言っても実際にはクラブはインパクト前後ではライ角に沿って斜めに動きますし、この3次元の概念を理解するのは難しいと思います。
そこで、いくつかの角度からスイングプレーンを分析してみましょう。

まずはスイングプレーンを体の正面から見た場合です。
アイアンはダウンブローで打つのが理想とされている一方で、ドライバーはアッパーブローで打つのが理想とされています。(今回は説明を簡素化するためにシャフトのキックバック(逆しなり)効果を除外して説明していきます。)

アイアンはダウンブローですからクラブヘッドは最下点の手前でボールに当たることになります。一方でドライバーはアッパーブローで当たりますから最下点を過ぎてからボールに当たることになります。

実際にクラブを置いて見るとこのようなイメージですね。

次にスイングプレーンを後方から見た場合です。
先ほどの説明と同じく、最下点を中心に以前だとダウンブロー、以後だとアッパーブローということになります。

さて次はスイングプレーンをボールを中心に真上から見てみましょう。スイングプレーンは円軌道ですからターゲットラインに対して In to Inの軌道で当たることが分かります。
真上から見ると最下点を中心に右側でボールに当たるとダウンブロー、左側でボールに当たるとアッパーブローということになります。

こちらもクラブを置いて見るとこのようなイメージですね。

先ほどはクラブが下降するダウンブローと上昇するアップーブローというクラブの上下移動に着目して見ましたが、次にクラブの左右の向きを見てみます。
真上からみると、このようにIn to Inのクラブ軌道ですから、最下点を中心に右側がIn to Out、左側がOut to Inの軌道であることが分かります。

立体的に理解するために後方から見てみましょう。
最下点を中心に手前側のダウンブローエリアはIn to Out、奥側になるアッパーブローエリアはOut to Inになることが分かります。
このように最下点を中心にスイングプレーンを2つに分けて見てみると、どちらのエリアで打つかでボールの高さや曲がりに影響が出ることが分かってきます。

■軌道がボールの弾道に与える影響
スイングプレーンの概念が理解できたら、それがボールに与える影響を考えてみましょう。

これはドライバーがボールに当たった時の様子です。最下点以後にクラブヘッドがボールに当たった場合、クラブ軌道は下から上へ動くアッパーブローであることが分かります。
そしてボールはクラブフェースに当たった瞬間の角度や軌道によって、打ち出し角度やスピン量が決定されます。一般的には高い打ち出し角度と低いスピン量が理想的と言われています。

次に真上から見てみます。
最下点を通過してボールに当たりますから、フェースが真っ直ぐに当たっていても、クラブヘッドはOut to Inで動きながらボールに当たっています。
この時のクラブフェースの向きと、軌道の向きの差によってボールの軸(スピンアクシス)が傾き、ボールが曲がるという原理です。
このように見ていくと、ボールを左足寄りにセットする長いクラブにスライスが多い理由も理解できてきます。(もちろんスイングプレーンだけではなく重心位置などの影響も大きいのですが今回は軌道の影響を説明するために省略します)

■ボールの曲がりをコントロールする
このようにスイングプレーンのメカニズムからクラブ軌道が理解できると、この知識を使ってボールを真っ直ぐ飛ばしたり、曲ることが出来るようになります。このインパクト時のフェースの向きと、クラブの軌道の差分からボールの回転と曲がりを説明する理論をD-Plane理論と言います。

例えばスライスするドライバーショットを、弾道の高さを変えずにストレートな弾道に近づけたい場合はアッパーブローエリアを右側に向ければ良いということになります。

スイングプレーンの向き(スイングダイレクション)を右に向けることで簡単にできますから、例えば普段スクエアスタンスの方であれば、クローズスタンスにするだけでスライスが止まります。

その逆に、ウェッジなどでスピンを効かせたい場合は、ボールをダウンブローエリアで捉える必要があります。ダウンブローエリアはIn to Outですから、そのまま打つとボールはフック回転がかかります。これを真っ直ぐなスピンに変えようと思うと、先ほどとは逆にスイングプレーンの向きを左に向けてあげれば良いことが分かります。
このようにメカニズムが理解できると、グリーン周りのアプローチや、バンカーショットなどダウンブローで打ちたい時にオープンスタンスにする人が多い理由も分かってきますね(^^)

如何でしたか?
ご覧いただいたようにスイングプレーンの向きとクラブの軌道には密接な関係があります。
このメカニズムを正しく理解しておくだけで、ボールの曲がりやスピン量をコントロールできたり、調子が悪い時に自分のスイングがどうなっているかを判断する事もできます。

ちょっと理解が難しいかもしれませんが、実際に軌道を変えて打ったり、レッスンでコーチに確認しながら徐々に覚えていってくださいね(^^)

この記事の内容に沿ってヒントを開催します。
2018年6月10日(日) at ヌーヴェルゴルフ倶楽部(千葉)
2018年6月24日(日) at 東千葉カントリークラブ(千葉)
もっと深く理解したい方はぜひお越しください(^^)

この記事を書いたのは

大矢 隆司

大矢 隆司

1980年7月15日生まれ
15歳で単身オーストラアへゴルフ留学Hills Golf Academyで3年間ゴルフを学ぶ。
その後大学在学中にティーチングライセンスを取得しゴルフコーチとして仕事を始める。MBA(経営学修士)のキャリアも持つ異色のゴルフコーチ。
2005年にGEN-TENの設立。現在はディレクターとしてレッスンプログラム開発と組織運営を担当。趣味はゴルフ旅行(スコットランドトリップアメリカトリップ

ゴルフコーチ(USGTF)
メンタルフィットネストレーナー(NESTA)
ゴルフコンディショニングスペシャリスト(NESTA)
ゴルフフィットネストレーナー(JGFO)

Director’s note」を通じて私達が提供するゴルフコースレッスンというサービスについて1人でも多くの方に興味を持っていただけたら嬉しいです。
ゴルフ&ウェルネスツーリズム「The Golf Retreat」も主宰。

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